三重県伊勢市で農業を営む親世代を手伝うため、里帰りする子世代の家を追加して、既存の農家を2世帯住宅とする計画。 必要となる度、必要な分だけ建てられてきた結果のような建物群には、長い時間の中で、うまく活用しきれなくなり、使われている部分と使われていない部分があります。それは、この建物は使われていて、この建物は使われていない、という単純なことではなく、この建物のこの部分は使っているけど、別のところは使っていない、というような、建物単位とずれた機能不全の集積でありました。 子世帯の家として、細切れの使われていない部分を繋ぐため、既存建物と既存建物の間に、新築で建物をつくりながら、その両端の既存改修をしていく、という建物単位ではない更新を考えました。新築部分は、既存よりもはるかに小さく、接続詞のようなものであります。接続詞をいれることで、文脈が少しずつ変わり、結果、全体が変わっていくというような更新の仕方、言い換えれば空間の伝承の仕方を提案しました。
用途:2世帯住宅+農業作業場(新築、一部リノベーション)
既存部分構造:木造、RC造、鉄骨造
増築部分構造:木造
所在地:三重県伊勢市
竣工年月:計画中
敷地面積:977.29㎡
既存面積:532.61㎡
増築面積:37.50㎡
改築面積:166.76㎡
撮影:鳥村鋼一
*オンデザインと共同設計
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