村、その地図の描き方

神奈川県で計画した、都内に家をもつ施主のための、2拠点居住用のもうひとつの家です。 敷地は、相模湾、富士山、江ノ島を臨む感動的な眺望を備えた650㎡の草原のような場所であり、施主は、ここで、都内ではできないこと、たとえば庭いじりや焚き火、畑仕事などをしたいと要望します。建築物を建てることだけが、その応答ではないと感じられたので、650㎡の敷地全体をまずは使い切るために、建築に何ができるか、という試行に転換します。 100㎡を22戸の個性をもった建築に切り分け、敷地全体にゆるい使い方のゾーニングをかけて、配ります。そうすることで、草原全体が建築をヒントに、具体的な居場所の集合となるのではないかと考えます。建築のサイズはいろいろで、中に入れるものだけでなく、中に入れない家具のようなものもあります。その前提条件のもと、普段平面図と呼んでいるものを、地図と呼び、施主とのコミュニケーションツールとして利用しました。地図は、「使う」という対話から、常に更新されていきます。

用途:週末住宅

主構造:木造 一部鉄骨造

所在地:神奈川県

竣工年月:2012.10

敷地面積:648.52㎡

建築面積:107.30㎡

延床面積:100.97㎡

撮影:鳥村鋼一

*オンデザインと共同設計

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