神奈川県横浜市西区に計画された木造賃貸アパートの計画です。 この土地に長く住む施主は、「若い人のための、居住と製作の場として木造賃貸アパートを考えたい」と要望されました。 計画地は、谷地という特性上、地面に近いほど暗く、空に近いほど明るいという、明らかにちがう2つの空間性を持っていました。この特性を断面的に活用してはどうかと考え、居住性の良い2階を専有部屋にし、高天井で開放的な1階を半外部空間のまま共有の広場として利用しています。広場と街の境界はビニルカーテン1枚だけであり、この物理的な境界の曖昧さにより、建物の一部でありながら、街の一部でもあるような役割を担うようになりました。居住者の日常生活をささえながらも、時に小さな公民館のように、街の人にも活用される広場は、たったひとつの建物でありながら、この街を更新していくような広がりをもっています。小さな建築での人のあつまり方、その可能性について考えました。
用途:共有部付き住宅(間貸し)
主構造:木造
所在地:神奈川県横浜市
竣工年月:2009.08
敷地面積:140.61㎡
建築面積:83.44㎡
延床面積:152.05㎡
施工:有限会社伸栄
撮影:鳥村鋼一
*オンデザインと共同設計
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