3方向接道した敷地に、4人家族の家を建てる計画。ライフスタイルの変化を許容し、適度な距離感を保ちながら、たくさんの過ごし方を見つけることのできる家が求められました。敷地のある街は、暗渠が多く、曲がった細路や袋小路が散見されます。袋小路の先には2階建ての木造賃貸アパートが多くみられ、アパートの外階段の立体性が袋小路の抜けと一体となり、密集した住宅街に大きな気積の吹き抜けをもたらしている様が印象的に感じられました。 3方向接道という敷地の特徴を住み方の不確定さと結びつけるため、玄関の数を増やしました。敷地4面すべてに玄関を設けたことをきっかけに、動線と部屋の区別がなくなって家の中の気積全体が連続したものになりました。様々な場の質が大きな吹き抜けとともに階段にまとわりつくような状況を目指すうちに、とある漁村にある「丘端」を思い出しました。視野が開けたり、分かれ道のちょっとした溜まりにある「丘端」が、自然と人々の憩いの場になったのだという。階段を家全体の構造コアとし、階段の足元をRCの高基礎で固めた上で、漸増する面を「倒れた壁」とみなすことで在来木造の耐震壁の扱いとし、上りきりがふらつかないように全体のバランスをとりながら、質を持った居場所の集合体となるよう、階段を不規則に変形させています。構造から自由になった立面は、居場所ごとに異なる快適性を支えるための家具の集合のようになっています。
用途:住宅
構造:木造
所在地:東京都杉並区
竣工年月:計画中
敷地面積:81.43㎡
建築面積:46.295㎡
延床面積:106.757㎡
撮影:原田雄次
building use:private House
structure system:wooden
location:Suginami Tokyo Japan
complete:in progress
Site area:81.43㎡
Building area:46.295㎡
Total floor area:106.757㎡
photo:by Yuji Harada
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