庭基礎の家々

もともと一つであった敷地を文筆し、各敷地に1つずつ家を建てることで近居の2世帯住宅とする計画です。 敷地はグリット状の道路と整形の街区による平坦で整然とした風景の住宅街にあります。敷地境界状に既製品やブロックの塀をまわし、接道際にわずかな庭や駐車場をもつ建売住宅が多くみられます。 私たちは、2つの家を同時につくるという条件を最大限生かすため、隔てる境界ではなく居場所になる境界、つまり貸し借りできて「お互い様」と居合わせていられる庭先が、内部から外部までグラデーションのような濃淡で連続した2つとも1つとも捉えられる家々を目指すことにしました。 そこで、近年の多くの木造住宅が、壁量の多くを外壁でとり、閉じた空間になりがちであるのに対し、かつての民家のような木造住宅は、ふすま・鴨居・建具など、生活と対応した細やかな付属物を巻き込んだ全体のバランスで成立していたことを参照しながら、スケルトンとインフィルが補い合う木構造を考えました。そして、その基礎も、通常のベタ基礎では土台を支える立ち上がりによって内外の縁を切ってしまうと考えたので、幾つもの穴が空いたフラットな土間スラブとし、穴の土に植物を植えたり、ブロックを使った腰高の塀を家具のように家の中へ引き込んで、庭先がそのまま物象化して基礎になったような、「庭基礎」から家を組み立てなおすことで、視線を緩やかに遮りながら、環境と身体の両義的なスケールを巻き込んだ状況を生み出そうと考えました。

用途:専用住宅2棟

構造:木造

所在地:東京都杉並区

竣工年月:計画中

敷地面積:311.59㎡

building use:2 private house

structural system:wooden

location:Suginami Tokyo Japan

complete:in progress

site area:311.59㎡

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